特集 水銀汚染—水俣病よりグローバルな環境問題へ
水銀汚染—局地的問題とグローバルな問題
鈴木 継美
1
,
佐藤 洋
2
1国立環境研究所
2東北大学医学部衛生学教室
pp.300-302
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901252
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水銀の化学形
周知のように,環境における水銀の存在形態は,①金属水銀,②その他の無機水銀(主に2価,一部1価),③有機水銀(主にメチル水銀,人為的に他のアルキル水銀,アリル水銀等),の三種に区分される.この中で人の健康に関わる汚染として重要なものは,金属水銀,2価の無機水銀,メチル水銀で,近年この三者の環境の中での化学形変換について研究が進んでいる.しかし,これまでに発生した大規模な水銀中毒(水俣,イラクの事例)がいずれもメチル水銀によるものであったこと,さらに魚に蓄積している水銀は多くの場合,大部分がメチル水銀であることが分かってきて,環境中での無機水銀のメチル化に大きな関心が寄せられている.
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