研究ノート
栃木県南河内町における成人病検診受診者の死亡と関連する要因に関する研究
塚原 太郎
1
,
永井 正規
2
,
藤田 委由
2
,
小倉 裕
3
,
籾山 喜久代
4
,
鳥居 みゆき
4
,
横山 英明
5
,
中村 好一
2
,
坂田 清美
2
,
柳川 洋
2
Taro TSUKAHARA
1
,
Masaki NAGAI
2
,
Kazuyoshi FUJITA
2
,
Hiroshi OGURA
3
1厚生省健康政策局指導課医療関連サービス室
2自治医科大学公衆衛生学教室
3栃木県宇都宮保健所
4栃木県南河内町役場
5自治医科大学医学情報学
pp.443-446
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900599
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●はじめに
脳血管疾患による死亡は,1951年から1980年までわが国における死因の第1位であり1)最も大きな健康問題の一つであった.そのため,1960年代から1970年代にかけて,脳血管疾患の危険因子を明らかにすることを目的とした疫学研究が数多く行われ,その危険因子として高血圧,食塩の過剰摂取や動物性蛋白の不足等の食生活との関係が指摘されるようになった2).そして,食生活改善の普及や成人病検診等の保健予防対策が行われてきたことにより,脳血管疾患死亡は年々減少し,平成元年には脳血管疾患は死因の第3位となっている.
わが国では,成人病対策の一環として1982年に老人保健法が制定され各種の保健事業が全国の市町村において実施されてきており,同法制定後9年が経過した今年度は,第2次5カ年計画の5年目である3).
栃木県南河内町では,1978年から,老人保健法に先駆けて成人病検診(以下,検診)を実施しており,翌1979年からは検診対象者ごとに,検診の際に得られた既往歴,検査成績等の情報(以下,検診結果)を,経年的に管理している.
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