研究
簡便な濃度計によるみそ汁食塩濃度測定の有効性についての検討
永井 正規
1
,
中村 好一
1
,
桜井 賢樹
1
,
藤田 委由
1
,
柳川 洋
1
,
籾山 喜久代
2
,
鳥居 みゆき
2
,
大房 一成
3
,
田辺 弘明
3
,
山根 則幸
3
,
志賀 信雄
3
Masaki NAGAI
1
,
Yosikazu NAKAMURA
1
,
Yoshiki SAKURAI
1
,
Yasuyuki FUJITA
1
,
Hiroshi YANAGAWA
1
,
Kikuyo MOMIYAMA
2
,
Miyuki TORII
2
,
Kazunari OFUSA
3
,
Hiroaki TANABE
3
,
Noriyuki YAMANE
3
,
Nobuo SIGA
3
1自治医科大学公衆衛生学教室
2栃木県南河内町保健衛生課
3栃木県保健衛生事業団
pp.360-363
発行日 1987年5月15日
Published Date 1987/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207478
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●はじめに
高血圧は脳血管疾患,心疾患の強いリスクファクターであり,高血圧は多量の食塩摂取に由来するという認識から,高齢者が急速に増加しつつある今日,いわゆる減塩食指導が地域における衛生教育の主要項目の一つとなっている.減塩食指導の目的は摂取食塩総量の減少であるが,そのための基本としてまず薄味(薄塩)に慣れること,種種の食品中に含まれる食塩量を知ること,また自分の日常の食塩摂取量を知ること等が大切である.みそ汁は最も普遍的に摂取されている食品であるため,その食塩濃度を測定し,高濃度の者に対しては濃度を低くするよう指導することによって薄味に慣れさせ,またみそ汁以外の料理についても薄味にするようなきっかけを与えることになることが期待される.みそ汁の食塩濃度測定は,高血圧予防のための衛生教育の一環として集団検診の場等を使って,最近広く行われるようになっている.
みそ汁の食塩濃度の測定方法としては原子吸光光度法,炎光光度法等が有効である.しかし,大学や検査センターなどの専門機関の場合を除いて,機器が安価かつ携帯可能であり,測定方法が比較的簡単なイオン電極法を用いるのが一般的である.
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