公衆衛生人国記
栃木県—栃木の歴史と衛生行政と
小倉 裕
1
Hiroshi OGURA
1
1栃木県宇都宮保健所
pp.128-129
発行日 1991年2月15日
Published Date 1991/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900284
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栃木県のイメージ
栃木県は北関東3県の中央に位置し,人口190万人余りの急速に変貌を遂げつつある首都圏の県である.その栃木県といえば,年間2,000万人もの人の訪れる観光地として日光国立公園を挙げなければならない.東照宮,二荒山,中禅寺湖,華厳の滝をはじめ,鬼怒川,那須,塩原の温泉地を抱え,世界的に有名であり,その他,陶芸の町益子,小京都足利,蔵の街栃木など,著明な観光地に事欠かぬうえ,東京から100km,新幹線で50分という地の利を生かしての工業,商業,リゾート開発,ニュータウン建設など,急速な発展を見せている.しかし,さて本県の全国的に見た知名度となると,今一つ低く後進県のイメージが払拭されていない.そこで県では,各種イベントの開催をはじめ,PR活動に積極的に取り組んでおり,最近実現したJR宇部宮線の新呼称などを含め一応の成果は上がっている.ここで本県の歴史を振り返ってみると,奈良,平安の昔には東国文化の拠点として栄え,日本三戒壇の一つ,下野薬師寺をはじめ,国府の設置,国分寺,足利学校など,数多くの遺跡に昔の繁栄を今なお忍ばせている.けれども,それが戦国時代以降となると様相が一
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