調査報告
農村地域住民のエネルギー消費量—カロリーカウンターと質問票による推定値の比較検討
秋澤 より子
1
,
鳥居 みゆき
2
,
籾山 喜久代
2
,
藤田 委由
3
,
坂田 清美
4
,
柳川 洋
4
Yoriko AKIZAWA
1
,
Miyuki TORII
2
,
Kikuyo MOMIYAMA
2
,
Yasuyuki FUJITA
3
1東京都千代田区神田保健所予防課
2栃木県南河内町役場保健衛生課
3自治医科大学公衆衛生学
4自治医科大学公衆衛生学教室
pp.723-726
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900672
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●はじめに
エネルギー消費量は,経時的にRMRを記録して求める方法1)と,簡易アンケート方式のSPAR法2)がある.客観的また身体の動きを簡便に測定してエネルギー消費量を推定する試みとして,万歩計3),カロリーカウンター4〜6)などがある.
本来,真に近いエネルギー消費量の生理学的測定は,いわゆる間接測定法7)とよばれる方法で,組織内の酸素の消費量と二酸化炭素の産生量が,呼気によって取り込まれる酸素量と排出される二酸化炭素に等しい(呼吸循環機能が平衡状態を保っている)場合に呼気分析を行って求める方法である.
公衆衛生の現場で成人病予防を目的としてエネルギー消費量を推定する場合,①集団を対象に実施できる,②個々人に応じた適切指導が可能であることが必要条件となる.成人病予防を目的とした栄養相談に用いる場合も,単にエネルギー摂取量の把握では適切とは言い難い.一方,time-studyにより,経時的にRMRを記録する方式は多くの者には実施できない.
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