わたしの看護体験・2
日本という風土における看護を考える
駒松 仁子
1
1国立療養所邑久光明園付属准看護学校
pp.274-282
発行日 1977年5月25日
Published Date 1977/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907091
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西洋医学と欧米の看護理論のうずまく医療の場において,東洋の思想にふれるとき,単に西洋の思想のみで割り切ることのできない何かが,わたしたちの中に強く脈うっているのを感じます.それはいったい何なのでしょうか.
西洋と東洋,そこには自然に対する‘ひと’のかかわり方に大きな相違が見い出されます.西洋では自然が‘ひと’に対して従順であり,東洋では‘ひと’が自然に対して従順であるということです.このように‘ひと’の存在様式が風土によって異なることを考えるならば,東洋の‘ひと’として‘自然のこころに随順し,自然のこころに吸収され,摂取されていくところに人生の究極あり’1)ということを学ぶことが,そして,そのように生きることが大切なのではないかと思います.
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