特集 摂食障害の理解と対応
扉
「公衆衛生」編集委員会
pp.717
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209241
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21世紀はメンタルヘルスの時代といわれています.社会環境や価値観の変化が著しく,若年者にとって何が正常で何が異常な考え方や行為なのか判断が難しくなってきていることがありそうです.米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアルである「DSM-5」は,家庭・施設内の虐待やネグレクト,孤立,ホームレス,貧困,社会的疎外など社会の中で生きることに困難を感じている人々が多い社会となっていることに対応して改訂がなされています.その中で,摂食障害は「食行動障害および摂食障害群」として分類されています.摂食障害の問題を有する者は世界で約7,000万人いると推測され,2016年から6月2日を「世界摂食障害の日」として啓発活動が行われています.
摂食障害で苦しんでいるアスリートも少なくないことが分かっており,2020年東京オリンピック・パラリンピックを前に彼・彼女らへの啓発が強化されています.また,若者が健やかに成長・自立・活躍できる社会とすることにも大きな影響を及ぼす問題です.この障害は当事者だけでも家族や社会(学校,職場)だけでも解決できない難しさがある問題でもあります.そのため,社会的な理解と包括的な支援が必要とされ相談支援組織の整備が急がれています.
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