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あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
阿彦 忠之
pp.246
発行日 2019年3月15日
Published Date 2019/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209109
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本誌は,公衆衛生の実践に役立つ研究や活動報告などの情報提供に力を入れておりますが,公衆衛生の実践倫理をテーマとした特集は今回が初めてだと思います.本特集の企画にご尽力いただいた瀧澤利行先生に感謝申し上げます.
医療倫理学や生命倫理学などと比べて,公衆衛生の倫理学の認知度は低く,その研究領域が注目されるようになったのは21世紀になってからということです.私自身も知識に乏しく,公衆衛生倫理で脳裏に浮かぶのは,虫歯予防を目的とした水道水へのフッ化物添加や予防接種制度の変更(義務接種から勧奨接種への見直し)をめぐる議論など,限られたものでした.しかし,本特集を通読し,公衆衛生に関する政策形成のプロセスにおいては,幅広い視点から倫理的な課題を抽出し,適切な政策決定に向けて慎重に議論しなければならない場面が多いことをあらためて痛感したところです.
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