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阿彦 忠之
pp.656
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208959
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本誌では以前,2008年(72巻3号)と2013年(77巻10号)にアレルギー関連の特集を組みました.ちょうど5年間隔で企画された3つの特集を読み比べると,アレルギー疾患の予防や治療に関する知見,および患者支援などの施策については最近の5年間の進歩が大きく,新たな動きも多かったことに気付きます.例えば,食物アレルギーの予防面では,原因食品の完全除去から必要最小限除去へ変更がなされました.また,離乳食の開始を遅らせるとよいという考えは否定され,原因食品によってはむしろ早期摂取開始が推奨されているなどの知見が,関連するガイドラインの改訂に反映されています.
タイミング的には,2014年に制定されたアレルギー疾患対策基本法が,取り組みの促進に少なからず寄与したものと考えられます.一方で,アレルギー診療に関しては,他疾患と比べてガイドラインと医療の現状とのギャップが大きいという指摘がいまだにあるほか,アレルギーに悩む患者・家族の方々から標準治療の普及と医療の均てん化が強く求められています.本特集における各著者が指摘されているように,予防面でも治療面でも課題は山積しており,同法に基づいて厚生労働大臣が策定した「アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針」(2017年3月公表)に基づく重点施策が本格的に実施されるのは2018年度からです.
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