特集 さぁ,臨床判断モデル
オレゴン看護教育コンソーシアム(OCNE)とコンピテンシーを基盤としたカリキュラムの構築
奥 裕美
1
1聖路加国際大学大学院看護学研究科
pp.728-734
発行日 2016年9月25日
Published Date 2016/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200587
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
OCNEで統一したカリキュラム
筆者が所属する聖路加国際大学大学院では,平成25〜27年度文部科学省看護系大学教員養成機能強化事業「フューチャー・ナースファカルティ育成プログラム」を実施した。タナー氏はこの事業の外部評価者として毎年来校し,その際オレゴン看護教育コンソーシアム(Oregon Consortium for Nursing Education,以下,OCNE)やカリキュラム構築に関する講義やセミナーを実施した。そこで本稿ではタナー氏による講義の内容や,資料に基づき,OCNEおよびコンピテンシーを基盤としたカリキュラムの概要を紹介する。
OCNEは,米国オレゴン州の看護系大学,コミュニティカレッジが参加する,看護学士号取得のためのコンピテンシーを基盤とした共通カリキュラムを開発し,運営している組織である。2003年に創設され,州内の6つの大学と9つのコミュニティカレッジが参加している。2011年に米国医学研究所(Institute of Medicine;以下,IOM)が発表した「看護の未来:変化を導き,健康を増進する(The Future of Nursing : Leading Change, Advancing Health)」の第4章,「教育を変える(Transforming Education)」のなかで,「次世代を担う看護師を育てるための資源の共有(Sharing Resources to Prepare the Next Generation of Nurse)」と題して,革新的な取り組みとして紹介されている1)。
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.