Japanese
English
特集 精神疾患への栄養学的アプローチ
認知症のリスク因子と食生活からの予防
Dietary Approach for the Preventing Dementia
大塚 礼
1
Rei Otsuka
1
1国立長寿医療研究センター研究所老化疫学研究部
1Department of Epidemiology of Aging, Research Institute, National Center for Geriatrics and Gerontology, Aichi, Japan
キーワード:
認知症
,
dementia
,
食事
,
diet
,
栄養バランス
,
nutritional balance
,
日本人
,
Japanese
Keyword:
認知症
,
dementia
,
食事
,
diet
,
栄養バランス
,
nutritional balance
,
日本人
,
Japanese
pp.275-281
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207213
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抄録
認知症のリスクの35%は修飾可能な因子であり,中年期の高血圧や肥満,高齢期の喫煙や運動不足,糖尿病など,その多くは生活習慣に起因する。食事や栄養はこれらの保護・促進因子として間接的に,あるいは直接的に認知症発症と関連していると考えられる。
本稿では,日常の食事は脳とどのような関係性を持つのかを考える。その上で,認知機能の保持効果が報告されている食・栄養学的要因を国内外の研究動向を踏まえ概説する。これまで観察研究結果に基づいた栄養学的介入試験が実施されてきたが,栄養介入単独では十分な改善効果は認められていないため,その解釈を考察する。運動の認知症予防効果にも触れ,脳の老化予防に有用と考えられる栄養バランスのよい食事について考える。
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