特集 痴呆性老人のケア
身体障害老人にみる精神機能低下とリハビリテーションの可能性
石神 重信
1
Shigenobu ISHIGAMI
1
1防衛医大リハビリテーション部
pp.350-357
発行日 1983年6月15日
Published Date 1983/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206707
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■はじめに
痴呆老人について関心をもたざるをえなくなったのは,6〜7年前であったろうか.リハビリテーションのための留学から帰ってきて,老人ホーム関係者の会で,老人のリハビリテーションについて講演をしたところ,痴呆老人へのリハビリテーションの可能性に関しての質問を受けたときである.リハビリテーションに,痴呆老人に対しての特別な分野があるわけでなく,関心ももっていなかったこともあり,うやむやな返答をした苦い経験がある.
現在でも,精神機能低下に対して特別なリハビリテーションがあるわけではない.主として身体障害をもったリハビリテーションの対象となる老人の中に,精神機能の低下を併せもった場合が多く,結果として痴呆も精神活動の再活性化を目的としてリハビリテーションの対象となる場合があるというところであろうか.
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