Japanese
English
研究と報告
脳卒中後遺症患者のリハビリテーションによる身体機能と精神機能の回復に関する研究
A Study on the Recovery Process of Mental Disturbance and Hemiplegia after Stroke
田中 恒孝
1
,
望月 秀郎
2
,
藤田 勉
2
,
種村 純
3
,
石神 重信
4
Tunetaka Tanaka
1
,
Hideo Mochizuki
2
,
Tutomu Fujita
2
,
Jun Tanemura
3
,
Shigenobu Ishigami
4
1国立小諸療養所
2リハビリテーションセンター鹿教湯病院
3伊豆韮山温泉病院
4防衛医科大学リハビリテーション部
1Komoro National Mental Hospital
2Kakeyu Rehabilitation Hospital
3Izu Nirayama Rehabilitation Hospital
4Department of Rehabilitation, Boei Medical College
キーワード:
Stroke
,
Rehabilitation
,
Mental function
,
Hemiplegia
,
Recovery process
Keyword:
Stroke
,
Rehabilitation
,
Mental function
,
Hemiplegia
,
Recovery process
pp.175-182
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204286
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抄録 脳卒中後3カ月以内に入院しリハを施行し得た47例につき,身体機能と精神機能の回復過程を調べた。精神機能を知性面と情意面に分け評価尺度(ともに20点満点)を作成,経時的に評価した。精神機能は入院後2ヵ月(発症後4ヵ月)までは急速に改善し,その後は緩徐であった。移動機能に基づき,入院前から歩行可能であった9例(第Ⅰ群),入院後に歩行自立した12例(第Ⅱ群),歩行非自立26例(第Ⅲ群)に分け,精神機能の回復状況を比較した。第Ⅱ群の回復は著しく,知性。情意面とも入院後2カ月間で急速に改善した。第Ⅰ群も同様の傾向を示した。一方,第Ⅲ群においては機能全般に回復が悪く,この群には高齢者,身体的合併症や半側空間失認を持つ重症患者が多かつた。以上の結果から,脳卒中後の経時的精神機能観察は治療や予後判定に重要であること,さらに精神機能と身体機能の回復が相補的に働いている可能性を指摘した。
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