特集 地域福祉サービス
保健所と地域福祉サービス—筋萎縮性側索硬化症患者への訪問援助の実践に学ぶ
山崎 康弘
1
Yasuhiro YAMAZAKI
1
1川崎市大師保健所
pp.268-274
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206285
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■はじめに
保健所の機能がどの程度市民に知らされているかを『市民便利帳』の内容1)〜4)でみると,実際に活動している業務の一部分しか知らされていない.健康上の心配,たとえば難病,先天異常,精神障害,心の悩み,血液不適合,アルコール中毒など具体的にそれを思わせる項目が載っていないのである.健康上のいろいろの悩みを持った場合に,保健所が日常的に市民の相談にのってくれる機関である,というイメージは表現されていない.市民にとって,保健所が健康上の福祉サービスをするところとは,思い及ばぬことである.
福祉事務所のサービスは,その多くは所得による制限がある.したがって,すべての住民にとって,保健,医療,福祉,教育,住民活動,生活など,その地域のあらゆる機能を利用して,関連の職種の人々が協力しなければならないような保健福祉活動「地域ケアー」6)の運営では,保健所が医療チームの調整・連絡者として最もふさわしい機関の一つであるといえる.
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