特集 地域福祉サービス
地域精神衛生と保健所
菱山 珠夫
1
Tamao HISHIYAMA
1
1東京都立世田谷リハビリテーションセンター
pp.275-278
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206286
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■はじめに
昭和40年の精神衛生法改正を機に,地域における精神衛生活動の第一線機関として保健所の位置づけが明記されて,すでに十数年を経過している.公衆衛生局長通知「保健所における精神衛生業務要領」(昭和41年2月)によれば,「保健所は地域における第一線の行政機関として精神衛生活動の中心となり,精神衛生センター,精神病院,社会福祉関係諸機関,施設などとの緊密な連絡協調のもとに,精神障害者の早期発見,早期治療の促進および精神障害老の社会適応を援助するため,相談および訪問指導を積極的に行うと共に,地域住民の精神的健康の保持向上を図るための諸活動を行うものとする」とされており,業務内容としては,①実態把握,②精神衛生相談,③訪問指導,④患者クラブ活動などの援助,⑤衛生教育および協力組織の育成,⑥関係機関との連絡協調,⑦医療保護関係事務など,広範な項目が挙げられている.
一方,保健所の置かれている現実は,上記のごとき活動を十分展開するに足る所内態勢,特にマンパワーの整備もされないままに,業務量の増加のみが要請されているという状況にある.
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