日本列島
保健所における疾病治療状況—沖縄県
伊波 茂雄
pp.530
発行日 1975年8月15日
Published Date 1975/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205055
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沖縄県の7つの保健所には565名の定員がある.これは1保健所あたり平均約81名になり,医師2〜6名(平均3名余),歯科医師1名,保健婦26名を含んでいる.このように比較的多くの職員を有する理由として主なものは,保健所において結核,性病等の治療業務を行っていることと,54市町村に県保健婦を駐在させていることである.第二次大戦終結後,鼡族昆虫駆除等環境衛生を中心とした伝染病対策を実施していた保健所が,結核治療,伝染病治療,性病及び寄生虫病の治療と次第に社会情勢に対応して疾病治療を担当するようになったが,その結果,保健所の存在が地域住民に重要な医療の担い手として認識され,高く評価されてきた.又,その実績もすばらしいものがある.昭和47年5月15日沖縄の日本復帰後,特別措置等によって保健所における結核,性病の治療業務が認められ,現在結核患者の通院治療は主として保健所で行われている.これは全国平均の1/2しかない医療施設が一般疾病治療に忙殺され,結核治療は伝統的に保健所が行うものであり,又,現実的にもそのほうが最も好ましい適切な方策であるという関係者のコンセンサスがあって円滑に行われている.
結核患者は昭和49年末で登録数7,427,うち肺活動性3,650(感染性537,非感染性3,063,予防投薬50),肺外活動性が242,不活動性2,568,不明967となっている.
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