日本列島
かいせんの流行—沖縄県
伊波 茂雄
pp.274
発行日 1976年4月15日
Published Date 1976/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205175
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沖繩県では,主として飲料水や生活用水の確保の困難な離島で,2〜3年に1度は感染性皮ふ疾患が集団発生してきた.近年では,原因不明の皮ふ病が多発したということで,県が皮ふ科専門医師を派遣して実態調査をしているが,膿痂疹が多かった.終戦後最悪だった住宅事情も改善され,県民の衛生思想も向上し,さらに学校には養護教諭も大部分配置されて,いわゆる学校伝染病についての早期発見等,予防対策も強化されてきているにもかかわらず,離島では生活用水不足と生活環境の不備が患者放置とあいまって,主として学童を中心とした伝染性皮ふ疾患の集団発生を招来している.
昭和50年には,宮古郡(沖縄本島の南西約200km)で小中校学童にかいせんが集団発生し,伊良武村教育委員会の依頼により調査したところ89人の患者を発見し,治療と衛生教育を行った.
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