特集 地域保健活動と国民健康保険
地域活動
保健婦は訴える
つねに活動に科学性をもたせて
小原 かつ子
pp.363-364
発行日 1967年6月15日
Published Date 1967/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203479
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私が国民健康保険の保健婦として仕事をするようになってからまる9年になる。保健活動の方法というのは時代の進歩とともにとうぜん変わっていくべきものであろうが,過去の私の経験から得た結果では,国保のレセプトや集団検診の結果状況がいつも仕事の起点となった。たとえば歯科疾患が医療費の上位をしめているということになった場合には,この対策として何をやればよいかと考える。まず資料をできるだけ多くあさる。その次に積極的に保健所長や専門医,大学衛生学教室を訪れてさらに知識と方法を確実に自分のものとする。これが大切な下準備である。これが十分に行なわれているかどうかで仕事の成果が決まる。歯みがきの衛生教育ひとつするにしても,話の内容が豊富であればいつのまにか人の心をつかんでいるものである。国保の保健婦は不勉強でいてはとても仕事にならない。
さて次には理論と知識を実施にうつす対策をたてる。同じく歯科対策については,
①幼児には乳歯対策としてフッ素塗布を年2回行なう。
②永久歯対策としては就寝前の歯みがきを衛生教育によって行なう。
③全身栄養が歯の保健に及ぼす影響について教育しおやつ作りの講習会をする。
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