講座
ミキサーとビタミン
元山 正
1
1国立公衆衛生院
pp.46-47
発行日 1958年1月10日
Published Date 1958/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201562
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家庭の電化の波にのつて,家庭生活にも色ゝな電気器具が入つて来た.或週刊雑誌だつたかと思うが,あなたの家庭は何点かという工合に,色々の電気器具に点数をきめて,合計して電化程度を示す記事があつたが,ミキサーは最も点数の少い,即ち備えている所の多い器具の一つになつていた.ミキサーは一時ハウザー食即ち美しく長生きをする食事を作るのにはなくてはならないものとされ,一方ジユースを作るのに便利な点から家庭に相当入つて来たものであろう.所でミキサーは現在どのように使われているだろうか.ハウザー食も実験にやつてみると余り美味しいものではないので,現在行つている人は少いようである.又ミキサーを家庭料理に食品をつぶしたり,すつたりするのに用いることが出来るが,このような使い方をしている人も少いようである.そのためミキサーの利用は主に家庭では果物のジユースを作り,病人或は乳幼児の家庭では離乳食,病人食等に一部利用していることが多いことと思う.
家庭の嗜好品としてのジユースは別として,乳幼児とか病人にとつて果物のジユースは単なる嗜好品ではなく,栄養補給源になつていることは明らかである.とするとミキサー処理を行つたときに,ビタミンはどのように変化するかということは知らなくてはならない問題であろう.
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