特集 榮養
論述
食品衞生法の改正を促す2,3の問題について
尾崎 嘉篤
1
1厚生省食品衞生課
pp.66-70
発行日 1950年2月15日
Published Date 1950/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200576
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食品衞生行政は,他の上下水道,汚物掃除,鼠族昆虫驅除などの環境衞生部門と共に公衆衞生の基礎であり,この上に疾病豫防對策とか保健婦事業などはつみ上げられるべきで,又こうしてこそ効果もあがるものなのである。しかるに,日本に於てはその特異な國家發展事情のため,この基礎工事が十分出來ないまゝに經過してゐたが,今次敗戰を契機として,後ればせながらこれらの面がとり上げられて來ていることは,甚だ喜ばしいことと云はなければならない。
この再出發に當つて,食品衞生は,それに必要な取締基準である食品衞生法令を第1國會にて制定公布したことは,それに從事する食品衞生監視員1767名をfull time officerとして整備し,それが運營に必要な府縣の經費も國庫がその1/2を負擔し,それ以外に營業許可手數料を徴收しうることにしたことと相俟つて急速な行政の展開と滲透を可能ならしめた。
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