特集 1949年度の回顧と50年の展望
栄養と食品衞生
尾崎 嘉篤
1
1厚生省食品衞生課
pp.206-207
発行日 1950年4月15日
Published Date 1950/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200621
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昭和24年は,戰時中及び戰後の窮乏した食生活がやや生色をとり戻した年であつたが,この食糧事情の好轉は日本経済の漸次的立直りと世界の食糧生産が増大したことによつてもたらされたものであつた。
國民の食生活を保障するための要求者たる性格を有する厚生省では,これまでも世界に比類のない規模で全國的な栄養攝取状況及びその健康に及ぼす影響を調査し,この科学的基礎にもとづいて経済安定本部や農林省に種々要求して來ていたが,昭和24年度もこれをつづけた。昭和23年度の配給量の増加につづいて本年にては配給食糧の質的改善が多く見られ,更に國民の攝取カロリーの基準が成人換算一人当2,4000カロリーより2,500カロリーへ引上げることが科学的だと公的に考慮されたり,配給量が3合にまで高めることが云々されるに到つたが,これらは栄養調査及びこれにもとづく前述の要求が一つのモーメントとして貢献しているものと信ずる。
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