連載 講座/健康で持続的な働き甲斐のある労働へ―新しい仕組みをつくろう・15
労働安全衛生体系と自主的改善
小木 和孝
1
1公益財団法人労働科学研究所
pp.485-489
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102765
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多様化する就労条件の下で過重労働や労働関連の死傷病が大きな社会問題となっている.この現状から,法体系を含む職域安全衛生の組織体制を見直す時期にある.とりわけ,小規模事業場・非正規雇用を含め働く全ての人の安全と健康に効果的に取り組む体制が重要である.その解決には,国際標準となっている労働安全衛生マネジメントシステムを推進しながら,安全と健康を切り離さずに労働者が参画して予防に力点を置く責任体制が欠かせない.そして過重労働・メンタルヘルスと職場環境にわたる就労条件を自主改善していく計画・実行手順をすべての職場で支援する職場保健サービスが求められる.関連ILO条約を批准して,自主的改善に労働者の参加を担保する枠組みに移行する必要がある.
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