特集 産業保健と専門職の役割
労働安全衛生コンサルタント
高田 勗
1,2
Tsutomu TAKATA
1,2
1北里大学医学部衛生学・公衆衛生学
2日本労働安全衛生コンサルタント会
pp.765-768
発行日 1993年11月15日
Published Date 1993/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900911
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■労働安全および労働衛生コンサルタント制度
わが国の労働災害の発生状況は,新しい生産技術や原材料の導入に伴って新しい型の災害や職業性疾病がみられたこと,設備の大型化,生産条件の高温,高圧,高速化などに伴い,災害の規模が大型化してきたこと,未熟練や高年齢の労働力に依存する度合が年ごとに高まってきたこと,加えて,中小企業や下請事業において災害の多発傾向が認められている.
このような状況の下で,各企業では,安全衛生についてのスタッフ部門が設けられているが,中小企業などにおいては,スタッフ部門が弱体であり,みずから安全衛生の問題点を把握し,その対策を検討する能力を備えていないといっても過言ではない.このような場合には,外部の専門家が,これら事業場を診断し,その結果に基づいて必要な安全衛生の処方箋を作成し,しかるべき対策がなされる必要がある.一方,大規模事業場においても,新しい生産方式や工法の導入などに際して,安全衛生対策に関して外部の専門家の検討と援助が求められる必要も生じてきている.
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