連載 この人に聞きたい!・3
抗加齢医学―アンチエイジングの基礎と臨床
白澤 卓二
1
1順天堂大学加齢制御医学講座
pp.478-483
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102764
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抗加齢学とは何か
今日の抗加齢医学の発展の源をたどれば,米国のアンチエイジング学会A4M(American Academy of Anti-Aging Medicine)の学会の流れから派生してきている.この米国のアンチエイジング医学学会は1990年代に盛んに行われた,成長ホルモン療法を軸にしたホルモン補充療法とサプリメントによる栄養療法を基軸に発展してきている.A4Mが,他の代替医療学会と違う点は,老化それ自体を病気と考えた点にある.したがって,病気を治療するのと同様の基準で老化そのものを治療対象とした点であった.
一方,日本で行われている抗加齢医学は,老化を病気と考えていない.むしろ生理学的老化は病気ではなく,治療対象でないと考えた.高齢期に発症する病気は病理学的老化,あるいは病的老化ととらえて,治療対象と考えている点が米国の学会の流れと大きく異なる点である.
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