連載 「笑門来健」笑う門には健康来る!~笑いを生かした健康づくり・4
笑うと血糖値が下がる?―「笑い」と「糖尿病」との関連について
大平 哲也
1
1大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学講座公衆衛生学
pp.563-566
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102476
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
糖尿病は網膜症,腎症,神経障害などの合併症を引き起こすだけでなく,虚血性心疾患,心臓突然死,脳卒中などの循環器疾患の重要な危険因子の1つでもあることが知られています.平成22(2010)年の国民健康・栄養調査によると,糖尿病が強く疑われる者の割合は,男性17.4%,女性9.6%であり,平成14(2002)年に比べて男女とも増加していることが報告されています.したがって,糖尿病を減らすことが,わが国の循環器疾患対策には重要と考えられます.
ところで,糖尿病の予防・治療というと,真っ先に思い浮かぶのが食事療法と運動療法です.厳格な食事制限や定期的な運動を継続し,体重を標準体重に近付けることが糖尿病のコントロールのためにとても重要なことですが,制限された生活はなかなか辛いものがあります.ちなみに筆者は,幸い血糖値は基準範囲内ですが,過体重とまではいかないものの標準体重をオーバーしているため,ここ数年間ダイエットに取り組んでいます.しかしながら,日々の食欲を抑えることができず,体重減少する前にリバウンドが来てしまうような状態で(単に体重が増え続けている状態とも言いますが),日々悩んでおります…….もし,笑うだけで体重が減ったり,糖尿病が予防できたり,血糖値のコントロールが良くなるなら,こんなに楽なことはありません! では,本当に笑うと血糖値が下がるのでしょうか?
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.