連載 「笑門来健」笑う門には健康来る!~笑いを生かした健康づくり・8
笑って認知症予防?―「笑い」と「認知症」との関連について
大平 哲也
1
1大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学講座公衆衛生学
pp.900-903
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102587
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急速に高齢化が進んでいるわが国において,認知症の急増が指摘されています.厚生労働省の推計によると,2012年現在のわが国の認知症高齢者は300万人を超えるとされており,2002年の149万人から倍増しています.これは,65歳以上人口の10人に1人にあたります.認知症は,活動性の低下,引きこもり,寝たきり,心筋梗塞・脳卒中,生命予後との関連が指摘されており,その予防は現在の高齢化社会の中で,重要な課題と考えられます.
一方,笑いは,ユーモアを理解し,面白いと思うことで起こってきますので,高次脳機能によりその機能が維持されていると考えられます.したがって,日常生活において笑う頻度が多いことは,高次脳機能を維持していることを一部反映している可能性があります.それでは,実際に笑いは,認知機能や認知症に関連するのでしょうか?
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