連載 「笑門来健」笑う門には健康来る!~笑いを生かした健康づくり・10
笑うと呼吸機能が良くなる?―「笑い」と「呼吸機能」との関連について
大平 哲也
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1大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学講座公衆衛生学
pp.69-71
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102643
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慢性閉塞性肺疾患は,英語のChronic Obstructive Pulmonary Diseaseの頭文字から,COPD(シーオーピーディー)と呼ばれます.主に,タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり,体動時の息切れ,呼吸困難や慢性の咳,痰などの症状が出ることで知られています1).WHO(世界保健機関)の報告によると,COPDにより亡くなった人の数は世界中で年間300万人にも上り(2005年),今後10年間でさらに30%増加すると予測されています.日本では,特に男性の喫煙率が高いことから,その頻度も多く,厚生労働省の統計では,2005年にCOPDで亡くなった人の数は14,000人以上であり,死亡原因の10位,男性に限ると7位を占めていることが報告されています.一方,COPDの治療としては,薬物療法に加えて呼吸リハビリテーションの重要性が指摘されています1).
近年,この呼吸リハビリテーションの一環として,笑いの効果が注目されるようになってきました.
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