特集 分権型社会における公衆衛生の課題―現場知と専門知の保証
分権型社会における自治体の公衆衛生活動の可能性と課題
藤岡 正信
1,2
1豊橋市健康部
2豊橋市保健所
pp.686-689
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102206
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はじめに
本題に入る前に,公衆衛生活動について考えてみたい.公衆衛生活動を要約すると「地域の住民に対し,病気の予防や健康増進を図るために,組織された社会によって行われる実践」といった意味になる.実践のためには,対象となる地域の健康問題を探り,他の地域との比較からスタートする.特定の健康問題があれば原因を究明し,対策を立てて実行することになるし,良好な状況であれば,維持するための方策を考える.
地方分権の理念も地域との密着であるので,健康問題を捉えた公衆衛生活動はこの点では確かに一致する.しかし,そこには予算の裏付があるかという問題が内在している.また,わが国の健康問題は,地域によって極端な差があるとは考えにくいので,よりレベルの高い保健サービスを提供することを含めて述べたい.
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