連載 地方分権による保健医療福祉活動の展開・2
保健医療福祉の地方分権と自治体の役割
山根 洋右
1
,
塩飽 邦憲
1
,
北島 桂子
1
1島根医科大学環境保健医学
pp.114-119
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902672
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構造改革の痛みの中で
アメリカの経済学者が,日本を3C国家と呼び,その政治経済の特徴を「土建国家(construction)」,「大量消費国家(consumption)」,「ソフトな支配国家(control)」と指摘したことがある.日本は,驚異的な経済発展を遂げたが,やがてバブル経済破綻,そして今,国家倒産ともいうべき重篤な病状を呈し,外科手術ともいえる「構造改革」の痛みを耐えしのいでいる.
その痛みの中で,ひとつの救いは,自律的な地域民主主義の時代的要請,「地方分権」への力強い胎動が見られることではないだろうか.振り返れば,地方分権の最初の胎動は,地方の政治的経済的リソースとそれを利用する技術の蓄積が始まった1960年代の革新自治体登場であった.「地方分権パイロット自治体」が盛んに提唱されたのもこの頃である.
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