特集 分権型社会における公衆衛生の課題―現場知と専門知の保証
大阪市における公衆衛生医師確保の現状と課題
竹内 敏
1
1大阪市健康福祉局
pp.681-685
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102205
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はじめに
2000年4月以前の大阪市における公衆衛生医師確保とは,市内24区に設置する保健所所長確保とほぼ同義であり,その供給を市民病院に求めていた.誘い文句は「保健所長を務めてもらいます」で通じた時代でもあった.
1保健所・24保健センター体制となった2000年度以降も,保健センターに医師を配置してきたものの,その位置づけ(職制)・役割の見直し等は,組織の変化速度に追いつけないまま時が経ち,このことが保健センター医師確保の障壁となった.また,2009年度に健康福祉局から病院主管部門が分かれて病院局ができたことは,市民病院からの医師確保を一層困難なものとした.
折からの全国的な医師不足の状況も重なり,手を打たずにいると大阪市公衆衛生医師機能の衰退をもたらす,との局内の危機意識の高まりから,以下に述べる医師確保・体制構築に着手し,今なおその途上にある.
本稿では,この間の経緯と課題,課題への対処について述べることとする.
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