予防と臨床のはざまで
第20回ヘルスプロモーション・健康教育国際会議ダイジェスト(その1)
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.737
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101911
- 有料閲覧
- 文献概要
7月11~15日にジュネーブ国際会議場で開催された「ヘルスプロモーション・健康教育国際会議(IUHPE)」に参加しました.3年に1度開催されるヘルスプロモーション・健康教育分野唯一の国際学会で,既に60周年を迎えます.1995年にこの国際学会が日本の幕張で開かれた時,私は大学院生として参加し,それが初めての国際学会発表経験でした.その後,50周年の本部パリ(2001),メルボルン(2004),ヘルスプロモーション発祥の地,カナダ・バンクーバー(2007)を経て,今回は国際機関の街,スイス・ジュネーブでの開催となりました(学会HPはhttp://www.iuhpeconference.net/).
テーマは「Health, Equity and Sustainable Development」.直訳すると「健康,公正,持続可能な発展」ですが,ヘルスプロモーション発祥の地カナダで「成人を迎えた」ヘルスプロモーションを見直した前回から,さらに世界は温暖化による気候の変化や,サブプライムショックによる経済危機,中国の台頭,アフリカ諸国の格差拡大など,人々の健康に影響を与えるより困難で大きな課題に直面しています.今回の学会では,既にこの分野のターゲットが,個別のライフスタイルより,社会環境要因にシフトしつつあることを感じました.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.