予防と臨床のはざまで
第25回ヘルスプロモーション・健康教育国際会議インプレッション
福田 洋
1
1順天堂大学大学院医学研究科先端予防医学・健康情報学講座
pp.671
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890070671
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5月12〜16日に第25回ヘルスプロモーション健康教育国際会議(International Union for Health Promotion and Education: IUHPE)が開催されました(https://www.iuhpe2025-abudhabi.com)。健康教育、ヘルスプロモーション分野随一の国際学会であるIUHPEは1951年に設立され、今年で74年目を迎えます。私が大学院生のときに初めて発表した国際学会であり、1995年に日本の幕張メッセで開催された第15回大会以来、1998年のプエルトリコを除き、これまでずっと継続して参加しています。コロナ禍で完全オンラインとなった前回の第24回大会(モントリオール、2022年)を経て、今回は6年ぶりの対面開催となり、研究者や専門家も久々のリアル開催に胸を躍らせていました。
開催地はアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで、本学会初の中東開催となりました。日本人にとっては経済の中心であるドバイの方がなじみ深いと思いますが、UAEの首都であり政治の中心地です。ザイード国際空港やアブダビ国立展示場・ホテル群は、建築デザインも曲線を多用した豪華絢爛なもので、市街中心部の道路も12車線とオイルマネーのパワーを感じるものでした。屋内は冷房でキンキンに冷えていますが、外は40℃の灼熱地獄です。実は今回のアブダビ開催について、現地実行委員会の立ち上がりの遅さ、人権への配慮、安全性への懸念などから、理事会でも幾度となく議論され開催が危ぶまれたこともありました。ふたを開けてみると、それは杞憂であったことが示されました。
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