連載 研修医とともに学ぶ・7
動物保護管理センター研修での明と暗―~犬ねこの安楽死処分と譲渡会から学ぶ生命の大切さ~
嶋村 清志
1
1滋賀県甲賀保健所
pp.834-835
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101428
- 有料閲覧
- 文献概要
甲賀保健所管内(滋賀県湖南市)には,滋賀県動物保護管理センター(以下,センター)があります.センターでは毎週1回程度,県内で保護または引き取りされた犬などの安楽死処分が行われている一方で,子犬の譲渡会が毎月2回開催されています.ここでは動物愛護思想の普及啓発を図る目的から,動物とのふれあいができるような憩いの場にもなっています.また,動物による人への危害を防止するため,野犬等の保護や放し飼い指導等の苦情処理や人を咬んだ野犬等の検診(狂犬病の診断)などもしています.このようにセンターは人と動物が共生・調和できる生活環境づくりをめざしている施設です.
歴史的には,昭和25年に狂犬病予防法が,昭和33年に滋賀県飼犬管理条例が施行され,昭和42年に滋賀県犬抑留所が設置されました.現在のセンターは昭和57年に移転しましたが,移転先を巡っては関係者の皆さんが大変ご苦労をされたようです.当時としては最新鋭の設備を備えた近代的な施設として竣工されました.そのため焼却した際に生じる煙もほとんど排出されず,汚水や汚物も浄化処理されています.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.