連載 「働き方改革」時代の労務管理・7
懲戒処分—「その解雇,本当に大丈夫?」
越本 幸彦
1
,
岡田 祐輝
1
1弁護士法人御堂筋法律事務所
pp.1000-1003
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210858
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■懲戒処分は自由にできない
医療現場は,重篤な負傷者や病気を発症した者,容態が急変した患者,常時看護または安静を要する要注意患者など,今まさに生命身体が危険に晒されている患者への適正な医療提供などが行われる場でもあり,日々,瞬時の判断やチーム医療による多職種連携が求められるなど,一つのまたは一人の判断ミスや過誤によって重篤な結果を招きかねず,精神的にも肉体的にも極めて緊張度が高い職場といえる.
そのような中,患者や同僚とのトラブルが多い,コミュニケーションが円滑にいかない,スキルが足りない,よくミスを犯すなどといった医療従事者がいた場合,病院経営者の中には,「適正な医療提供や患者の安全確保のため」という思いが先に立ち,そのような目的のためには懲戒解雇も当然正当性が認められる,との考えに至る人も少なくない.
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