連載 パートナーシップ時代の国際保健協力―これから国際保健協力を志す若者への10章・1【新連載】
はじめに:国際保健のランドスケープの変化―国際保健の構造変化(architecture change)
江浪 武志
1
,
武井 貞治
2
,
中谷 比呂樹
3
1WHO(世界保健機関)本部総務局
2国連合同エイズ計画モニタリング
3WHO(世界保健機関)事務局
pp.808-812
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101423
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現在,国際保健の枠組みは,地殻変動とも言える変化が起こっている.しかし,この枠組みの変革についてのわが国の関係者のご理解は大幅に遅れているのではなかろうか.そこで,本年主要国首脳会議(G8)およびアフリカ開発会議(TICAD)議長国として地球規模の諸課題への国際社会の対応の調整に大きな役割を果たしているわが国の医療関係者の方々に,国際協力へのご支援を頂く契機となることを期待して,国際協力がどのような地形(ランドスケープ)となっているか,これからの国際協力はどのような方向に進むのかについて,本稿を含め10回程度のシリーズにて書き進めてみたい.
本稿はその導入にあたるものであり,今後,①洞爺湖サミットに見る国際保健問題,②複雑化・大型化する国際保健問題:ヘルスディプロマシーとは,③多国間援助のあり方の現状と課題,④二国間援助のあり方の現状と課題,⑤新たな国際協力メカニズムの出現〔世界エイズ・結核・マラリア基金(略称:グローバルファンド)等〕,⑥革新的な手法による国際貢献(UNITAID,知的所有権問題等),⑦パートナーシップの姿,⑧新しいWHOの役割,⑨パートナーシップ時代の日本の役割とこれからの展望,などについて言及する予定である.
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