連載 Health for All―尾身茂WHOをゆく・46
結核分野での日本の国際保健協力
尾身 茂
1
1WHO西太平洋地域事務局
pp.766-767
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101422
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今年の7月25日に東京で,秋篠宮妃殿下御臨席のもと,結核予防会,厚生労働省,外務省,「ストップ結核パートナーシップ」推進議員連盟およびWHOの共催により,「国際シンポジウム(世界における結核の制圧に向けて:アジアからアフリカまで)」が開催された.したがって,今回は,結核分野でのWHO西太平洋地域の取り組みと日本の国際保健協力について述べてみよう.
1990年代,WHO西太平洋地域事務局にとっては,ポリオによる小児麻痺が最優先課題であり,加盟国,関係機関,WHOが対策に取り組んだ結果,1997年3月19日のカンボジアからの報告以降,本地域では発生がなされていない.したがって,私が1999年に地域事務局長に選出された際,次にどの課題について重点的に取り組むかについて,各国保健大臣との議論を行った.その結果,結核対策を最優先課題の1つとして取り組むこととなった.
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