厚生行政展望
国際化時代に期待される病院の変化
厚生行政研究会
pp.920-921
発行日 1993年10月1日
Published Date 1993/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900485
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8月末,東京で第8回日本国際保健医療学会総会が2日間にわたり盛況に開催された.参加者,発表者は全国の保健医療関係者であり,この分野に従事する人の間で国際協力への関心が高まってきていることが感じられた.総会プログラムは概略表の通り.だいたいの規模と傾向を読みとっていただくことができよう.
新聞の政治面・経済面・社会面の傾向から容易に察することができるとおり,世は「国際化時代」に突入している.全国津々浦々,山間僻地に至るまで,国際的な話題が茶の間に侵略してきている時代なのである.しかしながら,こと病院に関しては,身近な国際問題は在日外国人の医療費踏み倒し問題くらいなもので,国際協力などよその国の話であって,どこ吹く風である.病院経営を考えると,赤字要因にさえ思える.医師や看護婦が「国際協力をしたい!」と申し出てきたら,その希望の芽を摘み取るよう動くのが標準的事務長さんである.やっとこさ確保した戦力が長期出張で欠員になることは理不尽であり,もってのほかなのである.
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