特集 揺らぐ食品への信頼
食品安全と企業倫理―消費者の立場から
神山 美智子
1
1食の安全・監視市民委員会
pp.783-786
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101416
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牛肉からうなぎ,鶏肉まで,最近のわが国は偽装列島と化した感がある.しかも食品だけでなくあらゆる業種において偽装がはびこっている.三菱自動車のリコール隠し,耐震偽装マンション,鋼材の強度試験データ捏造,石原産業のフェロシルト問題,生コン偽装等々,消費者としては何を信じれば良いのかわからなくなっている.
さらに大分県で発覚した教員採用,昇進に関する汚職事件に至っては,時代劇の悪代官と悪徳商人を見ているかのようである.しかし翻って考えてみると,私たちのメンタリティの中に,縁故採用やコネを悪と思わない傾向があることもまた事実である.結局わが国は,未だに封建時代を抜け出していないのではないか,とさえ思われる.
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