特集 揺らぐ食品への信頼
食品表示をめぐる企業のコンプライアンスマネジメント
松本 恒雄
1
1一橋大学大学院法学研究科
pp.779-782
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101415
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食品表示関係の主要な法律としては,表1のようなものがある.わが国において,消費者問題が自覚的に意識されだしたのが高度成長期の1960年代であり,その中でも欺瞞的表示を禁止し,適正な表示を求める運動が先駆けとなった.そもそも,1962年に制定された景品表示法のきっかけとなったのは,1960年に発覚した鯨肉の大和煮の缶詰に牛の絵のラベルを付けて牛肉に見せかけていた「にせ牛缶事件」という食品偽装表示事件であった.JAS法に表示規定が取り入れられたのは,1970年であって比較的遅い.
以下では,食品の偽装表示を防止するために,コンプライアンスの観点から,どのような方策をとるべきかを検討する.
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