「公衆衛生」書評
無名の語り―保健師が「家族」に出会う12の物語
上木 隆人
1
1東京都八王子保健所
pp.52
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101064
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地域保健活動の醍醐味を伝える一冊
本書は,事例を通して語られる保健師活動の“ドキュメンタリー,記録”である.
きっと本書ほど多くの人にインパクトを与える本は,他の分野を見てもそうはないだろう.第1話を読んだだけでも,保健師という職種の特徴がわかりやすいし,「保健師って,こんな仕事の仕方をするんだ」と感嘆してしまうことだろう.保健師の活動は行政の中でも意外と理解されず,「地域の中にのめり込んでいて見えない」とよく言われていた.また一般にも知られず,看護師と同じように思われている.これは大変残念なことであるが,本書では,保健師が行う住民への療養支援活動や地域組織活動が,事例を通して大変わかりやすく語られている.
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