視点
公衆衛生の人づくり―臨床との連携
辻 一郎
1
1東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野
pp.728-729
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101008
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日本の保健医療が抱える矛盾の1つに,予防と治療の分離という問題がある.予防は主に保健所・市町村保健センターや企業の健康管理部門が担当し,治療は診療所・病院が担当する.その結果,臨床医が予防にかかわる機会は限られている(と,皆が誤解している).しかし,たとえば高血圧や糖尿病の管理(薬剤・生活指導など)は治療か予防かと問われれば,本質的には合併症の発生予防であることに異を唱える者は少ないであろう.
予防と治療の境界は消滅した.公衆衛生の人づくり,その1つの視点として,臨床との連携について私見を述べてみたい.
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