特別寄稿
世界のワクチン情勢―日本への提言
蟻田 功
1
1(財)国際保健医療交流センター(ACIH)
pp.764-768
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101009
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ワクチンは予防医学の最先端
「予防は治療にまさる」とは,ここ100年伝えられている真理である.ワクチンはこの予防医学の最先端の技術である.天然痘根絶(1967~1980)において,ワクチンによるWHOや先進国の根絶対策援助費は,10年間で300億円であった.そして根絶後ワクチン対策を全廃でき,全世界の保健費用は毎年1,000億円節約できるようになった1).
世界各国,日本も含めて,6~7種類のワクチンによる定期接種が現在行われているが,ワクチンで予防できる感染症は,過去50年間でほとんどなくなってきた(表1).しかし,最近のバイオ・テクノロジーの急速な発達により,新ワクチンも次々と導入されつつある.
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