視点
遺伝医療システムと公衆衛生の人づくり
羽田 明
1
1千葉大学大学院医学研究院公衆衛生学
pp.488-489
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100907
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医療・保健・福祉に求められているもの
私は,未熟児新生児医療を含む一般小児科,引き続き神奈川県立こども医療センター遺伝科で卒後研修を行った.私の少し前の時代は,例えば,「未熟児,染色体異常児をむりやり生かしてどうするのだ,もっと社会の役に立つ医療をすべきだ」という意見が,小児医療全体の中では支配的であった.
新生児医療,遺伝医療を研修した私たちの世代は,わが国で初めてこの分野を立ち上げた先駆者たちの弟子にあたる.先駆者たちにとっては,未熟児を育て上げる技術,染色体異常などを診断する技術の開発が大きなテーマであり,事実,彼らの貢献によって技術は急速に進歩し,わが国が世界のトップレベルに躍り出たのは周知の事実である.
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