特集 公衆衛生活動の過去・現在・未来
[インタビュー]21世紀・都市の公衆衛生の仕組みづくり—異質な人・活動が,いきいきと共生・発展する街づくり
佐々木 峯子
1
1東京都足立区足立保健所
pp.939-944
発行日 1999年11月10日
Published Date 1999/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902074
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健康な住民と対等に話ができる保健婦にならなければならない
佐々木 21世紀に向かって一番準備をすることは「人」ですね。私の勤務する足立区は過去,行政内部で保健活動の手段を分散すれば,衛生行政は縮小か不用だろうと言われた区です。しかし,23区や全国でどんどん保健所が統合されてきている中,保健所の役割や使命を職員で話し合い,また住民と共に楽しく地域の健康づくりを普及啓発していままできました。いよいよ来年の4月から組織を変えて,今よりもさらに住民の立場に立った公衆衛生行政を実現するために保健所の機能の強化と変化をきびしく推進する組織になります。
これまで,住民自体の保健活動を展開しながら保健婦の人づくりということを狙って,保健婦だけでなく公衆衛生従事者の資質の向上を一番大事にする方針できました。「保健所は1つでいい。保健相談所とよばれてきたところは保健センターでいい」と早く結論を出してしまうと,職員のやる気,とくに第一線で区民に接してきた職員全体が元気を失い,先が見えない中で変わっていくことに不安が大きくなります。現状を維持しながら区民への直接サービスや,足立区民が健康になるにはどうしたらいいかみんなで考えてきました。
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