連載 医学ジャーナルで世界を読む・4
イラクの健康危機と公衆衛生
坪野 吉孝
1
1東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野
pp.250-251
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100850
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各地の栄養士の集まりに招かれて,講演をする機会が多い.最近では,神奈川県の行政栄養士会,群馬県の栄養改善学会,東京の勉強会,宮城県の保健所の栄養士会などで話した.「この食べ物が健康にいい」という類のメディアの健康情報について,その信頼性や重要性を判断する方法を解説している.実際の新聞記事をいくつか読んでもらいながら,情報の質を評価するという「練習問題」も行っている.
メディアの健康報道は,人間集団での検証がきちんとなされていない,培養細胞や実験動物のデータだけに基づく情報が多い.この背景には,科学的に確立しているがありふれた話よりも,未確立でも目新しい話を取り上げて,視聴者の関心を引こうとする報道側の思惑がある.またどんなデータであれ,健康への効用を謳い文句にして,商品を売り込みたいスポンサー企業の意向もある.
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