特集 公衆衛生の構造改革
健康危機と地域における公衆衛生第一線機関の協働
上木 隆人
1
1東京都八王子保健所
pp.23-26
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100335
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地域の公衆衛生第一線機関の基盤
地域の公衆衛生第一線機関と言えば,保健所(保健センター),地方衛生研究所,医療機関が挙げられる.これらの機関で対応する地域課題には,いわゆる公衆衛生業務全般があり,その中に健康危機対応もある.健康危機事例への対応については,国,都道府県,市町村それぞれのレベルで検討が進んでおり,また分野ごとの訓練やシミュレーションも行われてきているが,国際的な問題発生に対応する国都道府県レベルと,日常業務の中で構築する地域体制のレベルとがあり,これからは後者を課題としていく必要性が出ている.
一方,保健医療福祉の連携が高齢化社会を迎えた昭和60年頃から叫ばれ始めて久しい.その後に介護保険法が発足し,その体制づくりは少しずつ進んでいるが,現状はまだまだである.その他には母子,老人など各分野の公衆衛生課題があり,ここにも地域単位で考えなくてはいけない体制づくりがある.地域における健康危機対応の体制構築は,これら保健医療福祉の連携体制と無関係ではない.
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