連載 統合化を模索する国際保健医療政策・1【新連載】
統合化を進める国際保健医療の政策
湯浅 資之
1
,
中原 俊隆
2
1国立国際医療センター国際医療協力局
2京都大学大学院医学研究科健康政策・国際保健学教室
pp.635-638
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100628
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地球上では,世界人口の6%に満たない人々が世界の60%の富を所有し,20%の貧しい人々が僅か2%の富を分かち合っているという1).こうした著しい貧富の格差を背景に,少なくとも世界人口の6~7割に相当する40億もの人々は,貧困であるが故に近代医療の恩恵に浴することができず,その多くの者は人類がすでに勝ち得た知恵や技術によって十分に治療あるいは予防可能な疾患で命を落としている.既知の知恵や技術をいかに経済的に貧しい人々へ効果的に提供できるかを考えることは,人類に課せられた責務であろう.
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