連載 統合化を模索する国際保健医療政策・2
小児死亡削減を目指す統合型小児保健医療政策(IMCI)
湯浅 資之
1
,
柴田 貴子
2
,
中原 俊隆
3
1国立国際医療センター国際医療協力局
2国際協力機構フィリピン国母子保健
3京都大学大学院医学研究科健康政策・国際保健学教室
pp.723-726
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100647
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
世界では毎年,1千万人の5歳未満児が下痢症,肺炎,麻疹,マラリア,HIV/AIDS,栄養障害といった予防可能な疾患が原因で死亡している1).しかもその5割がアフリカと南アジアの最貧6か国で,また9割が42の途上国で生じている.一方,母乳栄養,予防接種など現在実施可能な保健医療対策を完全に履行するならば,5歳未満の小児死亡の63%を減少させることができると試算されている2).実現可能な小児死亡の削減は,今日の国際社会における緊急の課題なのである.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.