トピックス
結核対策を中心とした国際保健における保健政策の形成
遠藤 昌一
1
1JICAフィリピン結核対策プロジェクト
pp.873-879
発行日 1999年12月15日
Published Date 1999/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902202
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筆者は過去20年にわたり,結核対策をはじめとして国際保健にかかわってきた(1973〜1989年WHO西太平洋事務局で韓国結核専門医官,結核対策担当部長,駐マレーシアWHO代表など歴任,1995年以降JICAフィリピン結核対策プロジェクト専門家).そのかかわりや一般保健政策との関連のなかで,結核対策の分野における国際協力のあり方,問題点について検討を行った.
保健に限らず一般に行政施策は,テクノロジーの発達や社会状況の変化から影響を受け,時に極端に偏った政策により悪い影響を被ることも多々ある.結核対策の場合,化学療法の発達と広く多くの市民に対策の恩恵を与えるためのHealth Services Researchの結果から,専門医療機関でなく一般保健サービス機関(一般病院や診療所)でも実行可能な診療方法(適正技術,appropriate technology)が開発され,結核対策が一般保健サービスに組み入れられ,保健所などでも患者の診療が行われることになった.
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