連載 統合化を模索する国際保健医療政策・6
結核に対する関心を惹きつける保健医療政策(DOTS)
湯浅 資之
1
,
加藤 誠也
2
,
中原 俊隆
3
1国立国際医療センター国際医療協力局
2財団法人結核予防会結核研究所
3京都大学大学院医学研究科健康政策・国際保健学教室
pp.67-72
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100327
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重要であるにもかかわらず,結核対策ほど人々の関・心・に大きく影響された保健医療政策は他にないのではなかろうか.先進国では結核がすでに制圧された疾患であるとの誤解から,結核に対する関心が急速に薄れ,結核対策は置き去りにされてきた.途上国でも結核は公衆衛生上重要な問題にもかかわらず,人々の関心は低く,対策は放置され続けてきた.
今日,世論に結核対策の重要性を喚起し,人々の関心を結核に向けさせようと奮闘している国際保健医療政策がある.DOTS(ドッツ)戦略がそれである.本稿では,過去から現在に至る結核対策を辿る中で,DOTS戦略が生み出されてきた来歴を概観し,現在世界の多くの国で展開されているDOTS戦略の現状を紹介したい.
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